食中毒予防ポイント

食中毒とは、有毒な微生物や化学物質を含む飲食物を食べた結果生じる健康障害です。多くは、急性の胃腸障害(おう吐、腹痛、下痢などの症状)や発熱をおこすこと。

従来、赤痢やコレラなどの感染症は食中毒と区別されてきましたが、1999年4月に施行された「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」(感染症新法)において、病因物質の種別にかかわらず飲食に起因する健康障害は食中毒として取り扱われる事となっています。

食中毒予防の三原則

付けない
原材料は新鮮なものを使用し、施設・設備は清潔に保ち、調理・加工は清潔な器具を使用し、清潔な従事者により食品を取り扱う。
増やさない
調理・加工は迅速に行い、計画的な仕入れ・先入れ先出しを行い、設備の能力に応じた調理・加工をする。また、冷却をして細菌の活動を抑える。
除菌
アルコールによる除菌。加熱をして、細菌を死滅させる。

衛生管理のポイント

入荷・保管編

食材
  • 入荷されたら、直ちに検品(個数・変形・傷・消費期限など)し、受入日を記入して適切な温度帯で保管する。
  • 種類(肉・魚・野菜や加工食品など)毎に保管場所を決め、棚割保管する。
  • ダンボールの食材は、できるだけコンテナやバットに移しかえる。
  • 床に直置きしない。
  • 先入れ先出しの徹底。
冷蔵・冷凍保管
  • 冷蔵庫・冷凍庫は定期的に温度をチェック&記録。
  • 正しい表示温度を保つため、温度計の表示温度と実際の差異を定期的に確認する。

調理・保存編

食材
  • 食材を扱う前には、まず『衛生手洗い』
  • 野菜は洗って、除菌してから調理する。
  • 魚介類は真水でしっかり洗って、ビブリオ退治。
  • 加熱調理の目安は、75℃(中心温度)で1分以上。
  • 解凍は流水か冷蔵庫内で行なう。
調理器具
  • まな板・包丁は食材(肉・魚・野菜・仕上げ等)で使い分ける。
  • 使用前には、アルコールで器具を除菌する。
  • まな板やふきんは、毎日除菌・漂白して清潔に。
  • 食品に直接触れるふきんは、新しいものか必ず洗浄・除菌されたものを使用する。
  • 洗浄・除菌した調理器具は清潔な場所に保管する。
保存
  • 冷たいものは冷たく(10℃以下)、温かいものは温かい状態で(65℃以上)で保管する。
  • 必ず、フタやラップをして保管する。
洗浄・除菌のポイント
  1. 適当な温度の湯で洗浄。
  2. 下洗いし、汚れを残さず落とす。
  3. 汚れにあった洗剤を使って洗浄する。
  4. 最後にアルコールや漂白剤で除菌・漂白する。

個人衛生編

身だしなみ
  • 「衛生手洗い」の実行。
  • 時計、イヤリング、ピアス、ブレスレット、ネックレスなどの装飾品は外す。
  • 爪は、短く切り、マニキュアはつけない。
  • マスク、制服はいつも清潔なものを身につける。
  • 髪は帽子や三角巾にしっかり入れる。
自己管理
  • 下痢などの症状や手に傷がある場合は、調理には従事しないのが原則。
  • 検便は定期的(月1回)に行なう。

食中毒に深く関与する原因菌

病原性大腸菌

大腸菌は人や動物の大腸内に生息する常在菌で、食品や河川水などの自然環境に広く分布しており、糞便汚染の指標菌である。大部分は病原性を示さないが、ある一部の菌は腸管に感染し、下痢を主微とする急性の腸炎を起こす菌があり、これらを「病原性大腸菌」と呼ぶ。大腸菌は大腸菌群の中でも、人や動物の糞便にいる確立が高く、食品から検出された場合、二次汚染を受けたことが予想され、病原性大腸菌による汚染も考えられる。

① 腸管組織侵入性大腸菌
小学生以上の人に感染することが多く、赤痢菌に似ています。集団流行することがあり、わずかな量でも感染し、人から人へ直接感染することもあります。
症状:発熱、下痢、血便 など。
② 腸管病原性大腸菌
乳幼児の胃腸炎をひきおこす細菌で、わずかな量でも感染します。ただし、小学生以上の人は、かなりの菌量がなければ感染しません。人から人への直接感染はありません。
症状:下痢、腹痛 など。発熱はありません。
③ 腸管毒素原性大腸菌
感染すると体内で毒素をつくる細菌で、わずかな量でも感染すると思われます。熱帯地域に多い下痢の原因菌で、海外旅行から帰国した人たちに多い「旅行者下痢」をひきおこす菌としても知られています。人から人への直接感染はありません。
症状:下痢、腹痛 など。発熱はありません。
④ 腸管集性大腸菌
主として熱帯、亜熱帯地域で発生する、子供などの下痢の原因菌です。わが国では、この菌の分離報告はほとんどありません。
⑤ 腸管出血性大腸菌
O157:H7がよく知られています。O-157には、「ベロ毒素」という強力な毒素をつくり出す性質があります。このベロ毒素は、体内に侵入すると大腸をただれさせ、血管壁を破壊して出血をおこします。また、この菌は非常に感染力が強く少量でも感染が成立し、症状が重篤になること、二次汚染することなど、従来の細菌性食中毒とは様相が異なることから平成8年より指定伝染病に指定されました。
食中毒症状:まず激しい腹痛が起こり、下痢を繰り返し血便を生じるようになります。この血便は鮮血を伴います。また、腎臓に害がおよび尿が出にくくなり、ひどくなると尿毒症や意識障害などを引き起こすこともあります。
集団発生例はいずれも食品や飲料水によることが多く見られます。
症状
まず激しい腹痛が起こり、下痢を繰り返し血便を生じるようになります。この血便は鮮血を伴います。また腎臓に害がおよび尿が出にくくなり、ひどくなると尿毒症や意識障害などを引き起こすこともあります。
予防ポイント
  • 帰宅後、調理前、食事前には十分手洗い・アルコール除菌をする。
  • 食材はよく洗浄し、中心部まで十分熱が伝わるようにする。(中心温度75℃1分以上)生肉・生レバーを食べないこと。
  • 生ものは早めに調理し、調理後は早めに食する。
  • 除菌されていない井戸水は飲まないようにする。(定期的に水質検査を)
  • 比較的低温にも強い為、食品を冷蔵庫で保管していても注意する。
  • 食肉等を扱った包丁・まな板・布巾などはよく洗い、漂白除菌液やアルコール、熱湯等をかける。

サルモネラ菌

この細菌はもともと自然界に広く分布し、家畜(牛・豚・鶏等)やペット(犬・猫)もこの菌を保有している場合があります。全国的に多い食中毒の原因菌であり、肉類・卵製品から良く検出されます。特に近年ではサルモネラ菌による鶏卵汚染が急増し、鶏卵内にも歯が良く見とめられることがあるので注意が必要です。この菌による食中毒では患者数、発生件数とも上位である。
この食中毒は肉類や鶏卵を用いた食品の加熱不足・不衛生な保管等が原因となり発生する場合が多く、卵や生肉などから調理器具や手指を介して他の食品への二次感染を受けることもあります。

発育可能温度は15~41℃で比較的乾燥に強い。

サルモネラ・エンテリティディス(SE):腸炎菌、ゲルトネル菌とも言う。
全サルモネラ菌食中毒の約80%以上がこの菌による。汚染源は主に鶏卵とそれを用いた製品による。
他のサルモネラ菌より少ない菌数(数個~数百個/g)で発生する場合がある。

原因食品
卵焼き、ケーキ、シュークリーム、自家製マヨネーズ など
症状
飲食後、半日から数日で吐き気や腹痛が起こります。この後発熱を伴い、下痢を繰り返します。このような症状が数日続きますが、一般的に一両日で回復に向かいます。風邪との症状がよく似ているため注意が必要です。
予防ポイント
食材を十分に加熱すること、包丁、まな板、布巾などはよく洗い、アルコールや熱湯等を用いて十分に除菌すること、調理後は早めに食し、長時間保蔵は避けること、ペットやたまごに触れたあとは十分に手洗いとアルコール除菌を行うこと

黄色ブドウ球菌

34種類あるブドウ球菌の一つである黄色ブドウ球菌のみに病原性が有り、これは自然界に広く分布しており、健康な人の皮膚や口の中にもいる人の常在菌。
ミクロコッカス科スタフィロコッカス属でこの中には黄色ブドウ球菌―病原性、表皮ブドウ球菌―非病原性、腐生ブドウ菌―非病原性等がある。

黄色ブドウ球菌によって起こる食中毒は、おにぎり・サンドイッチ・にぎり寿司・ケーキ等さまざまな食品が原因となり、調理者の手指により食品を汚染する場合が多く見られます。特に手指に化膿性疾患のある人から食品を汚染することがあります。

特徴
  • 人の手指・皮膚・鼻腔・喉・頭髪等に付着、常在菌
  • 傷口を化膿させる性質がある
  • 発育可能温度 10~45℃ 至適温度 35~37℃
  • 食塩耐性菌(食塩濃度7.5%でも発育)
  • エンテロトキシン産生、毒素型食中毒菌
エンテロトキシンについて
  • 食中毒の原因となる黄色ブドウ球菌の産生する毒素をいう
  • 耐熱性毒素で120℃、20分加熱でも分解しない
  • 比較的、酸・アルカリに強い
原因食品
おにぎり、寿司、サンドイッチ、ケーキ
症状
飲食後、数時間以内に吐き気や激しい嘔吐が起こります。あまり高熱を伴うことはありませんが、腹痛や下痢を伴う場合もあります。
予防ポイント
  • 調理にかかわる人は、十分な手洗い・アルコール消毒を行うこと。
  • 手指に傷や手荒れのある人は、直接調理にたずさわらないこと。
  • 調理中むやみに頭髪や衣類に触ったりしない。
  • マスク・帽子・使い捨て手袋などを着用して調理する。
  • 包丁・まな板・布巾などをよく洗い、アルコールや熱湯等を用いて十分除菌する。
  • 調理後は早めに食べるようにし、室温で長時間放置しない。

カンピロバクター

古くからウシやヒツジなどの家畜で流産や腸炎を起こす菌として注目されていましたが、1970年代に入りヒトにも腸炎を起こすことが判明し、我が国においても1982年には食品衛生法で厚生省に報告する食中毒事件票の「病因物質の種別」の中に加えられ、食中毒起因菌として指定されました。少量でも食品や水を介して感染する。またペットから感染することもあります。普通の空気(酸素20%)では発育しない。旅館・ホテル・給食施設で多発し、大規模食中毒事件に発展することがあり、二次汚染も要注意!現在はカンピロバクター属の内で、ヒトに腸炎を起こす菌種としてカンピロバクター・ジェジェニとカンピロバクター・コリが知られていますが、実際に検出されるのはほとんどカンピロバクター・ジェジュニです。

原因食品
牛乳・乳製品・牛肉・井戸水 等
症状
発症するまでに2日から7日程かかり、発熱・けん怠感・頭痛・めまい・筋肉痛が起こり、次いで吐き気や腹痛におそわれ、その後下痢を伴います。
予防ポイント
  • 調理前は十分加熱してから食する。
  • 調理後は早めに食し、冷蔵庫内での長期保管はしない。
  • 食肉などを保存するときは他の食品と分けて、出来る限り冷蔵保管する。
  • 包丁、まな板、付近などはよく洗い、漂白除菌液・アルコールや熱湯等を用いて十分除菌・除菌する。

ノロウイルス

ヒトの小腸粘膜で増殖して、下痢やおう吐等を引き起こすウイルスです。
直径は0.03μm(1μ=1/1000mm)前後で、電子顕微鏡でなければ観察できません。1968年米国オハイオ州のノーウォークにある小学校で発生した集団胃腸炎で最初に発見され、以降Small Round Structured Virus (SRSV=小型球形ウイルス)と言われたものほとんどがこのノロウイルスで、わが国では2003年8月、食品衛生法等の一部の改正に伴い「ノロウイルス」による食中毒が届けられるようになりました。

わが国における月別の発生状況をみると、1年を通じて発生は見られますが11月から発生件数は増加しはじめ、1~3月が発生のピークになる傾向があります。ノロウイルスの感染経路はほとんどが経口感染で、汚染されていた貝類の生域は十分に加熱調理しないで食べた場合、食品を取り扱う人(食品の製造等に従事する者、飲食店における調理従事者、家庭で調理を行う者)が感染しており、その人を介して汚染した食品を食べた場合、患者の糞便やおう吐物から二次感染した場合、また家庭や共同生活施設など人同士の接触する機会が多いところで人から人へ直接感染するケースもあります。

ノロウイルスは感染力が非常に強いため、保育園・学校や高齢者施設・集団給食等で患者が発生すると二次感染を引き起こし、集団感染となることがありますので、十分注意する必要があります。特に寝たきりの高齢者など、予備力の弱い方々については、下痢等の症状がきっかけとなって重症や死亡に至るケースも起こり得ることから、早期に対応することが重要です。

現在、ノロウイルスに対する予防薬やワクチンはない。
症状が出ない場合でも感染(不顕性感染)して、二次感染することがある。一度感染しても抗体を作らないため、また感染することがある。
ペットなどはノロウイルスに似たイヌカリシウイルス、ネコカリシウイルスに感染することが有ります。

原因食品
生カキが多いが、サラダ、果実等の生もの及び食品の取扱者を介して二次感染が増えています。
症状
ノロウイルスに感染すると、潜伏期間(感染から発症)は24~48時間で主症状は吐き気、おう吐、下痢、腹痛であり、発熱は軽度です。通常これら症状が1~2日続いた後、治癒し、後遺症もありません。また、感染しても発症しない場合もあります。
予防ポイント
  • カキなどの貝類の生食は避ける。
  • 飲料水は煮沸滅菌して飲む。
  • 調理の際には、必ず手を洗いスーパードリームF-1など効果あるアルコールを用いて除菌・消毒する。
  • きちんとうがいをする。
  • 包丁・まな板・布巾などはよく洗い、スーパードリームF-1や熱湯等を用いて十分除菌する。

腸炎ビブリオ菌

最近減少傾向にあった腸炎ビブリオ食中毒は、1994年から増加を示し、1998年には事例、患者とも1位となるこの菌は海水や海泥中に潜み、お刺身や生鮮貝類からよく検出されます。夏になると活発に活動するため(7~9月)特に注意が必要です。塩水を好むが真水には弱く、また熱にも弱く100℃数分で死滅し5℃以下ではほとんど増殖しないという性質があります。細菌の増殖速度が他の細菌に比べて早く、調理後の食品の取り扱いにも注意が必要です。

腸炎ビブリオ菌によって起こる食中毒は、魚介類に付着した腸炎ビブリオがまな板・包丁・など調理器具を介して他の食品を汚染し(二次汚染)、その食品から食中毒を引き起こすこともあります。また(心臓停止作用の有る耐熱性溶血毒を持つ)増殖速度が速く、1個のビブリオ菌は3時間で食中毒を発症させる。

原因食品
刺身、生鮮魚介類とその加工品 など
症状
飲食後、8~24時間で激しい腹痛と下痢をおこります。下痢はしばらく続くため脱水症状を起こすこともあり注意が必要です。腰痛は刺し込むような激痛で、しばしば発熱も見られ、吐き気・嘔吐もまれにみられるが2~3日で回復します。
予防ポイント
  • まな板・包丁・布巾等の調理器具は十分洗い、アルコールや熱湯を用いて消毒する。
  • 魚介類は真水でよく洗ってから調理し、刺身等の生ものは出来るだけ早く食する。
  • 調理する直前まで他の食品と接触しない用に、冷蔵庫など低温で保管する。
  • 調理器具は魚介類専用のものを使用するほうが好ましい。
  • 魚介類調理後は十分に手洗い、アルコール消毒する。

レジオネラ菌

土壌・河川水・湖等の自然界に広く分布しており、最近では24時間風呂・空調冷却水・温泉水等からよく検出され問題となっています。乳幼児・高齢者等の比較的抵抗力の弱いヒトに感染しやすいので注意が必要です。

原因
空調用冷却塔水・大規模中央急湯水・シャワー水・循環式浴槽水・加湿器水・噴水・温泉水・プール 等
症状
肺炎・熱性疾患等の症状が出て、重症の場合は死に至ることもあります。
予防ポイント
  • 井戸水等はよく除菌してから飲む、加湿器水・加温器水・風呂水は毎日変える。
  • 熱には比較的強い為60度以上の除菌が必要。
  • プール水は十分な塩素消毒等を行う。
  • 噴水・空調冷却水等のエアロゾルの発生しそうな場所には近寄らない。

セレウス菌

バチルス属、好気性又は通性嫌気性のグラム陽性有芽菌。バチルス属にはセレウス菌の他、炭疽菌(家畜病原菌)、枯草菌(非病原菌)、納豆等がある。別の言い方では土壌の細菌の一員で、自然界に広く分布するいわゆる雑菌の仲間である。

特徴
  • 土壌・疽・水等自然界に広く分布、穀類・農産物からも高率で分離される。
  • 発育温度10~40℃ 至適温度28~35℃
  • セレウス菌の中でも特別な菌が食中毒を発症させる
  • 硬毛抗原の特異性により36型に分類、硬毛抗原型により症状は異なる
嘔吐型
潜伏1~1.5時間程度。
米飯類、スパゲティー、ピラフ、焼きそばなどの食品が原因となりやすい。
下痢型
潜伏8~16時間程度。食肉製品スープ、野菜などの食品が原因となりやすい。
症状
嘔吐型は感染後数時間で激しい吐き気をもよおし、嘔吐を繰り返します。下痢型は感染症後半日くらいで吐き気をもよおし、下痢が続きます。
予防ポイント
  • 食品は常に新鮮なものを使用する。
  • 調理時は十分加熱し、調理後は早めに食する。
  • 一度に大量の米飯や麺類を調理しない。
  • 米飯やゆでたスパゲティーを放置しない。

ボツリヌス菌

ボツリヌス菌は土壌・河川の泥・海岸の砂等の自然界に広く分布している。偏性嫌気性芽胞菌で、世界中でこの菌による食中毒が発生しています。この菌は熱(100℃6時間でも死なない)や消毒薬にも強い抵抗料を示す芽胞を形成します。この菌の産生する毒素(熱に弱い)は他の食中毒菌の中でも最も毒性(神経性毒素)が強く、致死率が高いため注意が必要です。毒素型食中毒菌で細菌が食品中で増殖する過程で毒素を産生し、その毒素で発症する。毒素はA~G型に分類される。

A・B・E・F型
人の食中毒発症に関係
C・D・G型
人以外の動物の発症に関係
原因食品
いずし・自家製缶詰・自家製びん詰・からしレンコン・ソフトチーズ・蜂蜜 等
症状
8~36時間の潜伏時間後、感染後8時間から36時間後に、吐き気・嘔吐・便秘が起こり、脱力感・倦怠感・めまいを感じます。潜伏が進むとめまいやものが二重に見てる・言語障害・呼吸困難を引き起こし時には、死に至る場合もあります。(致死率:25~70%)
予防ポイント
  • 新鮮な原料を使用し、十分に洗浄、除菌を行うこと
  • 食品の低温保管
  • 飲食前に十分な加熱すること

ウェルシュ菌

この菌は河川 水・土壌など自然界に広く分布し、健康人の糞便中にもよく見られます。牛・鶏・魚類の保菌率は高く、食肉や魚介類の加熱調理食品等が原因食材となり発生する場合が多く見られます。この菌は空気のない状態を好み、また100℃1時間加熱しても死滅しない(耐熱性を有する)特殊な芽法を有しています。好気性菌が死ぬと増殖を始めるこの菌は他の食中毒菌に比べ発育速度が早い為、学校給食など大量に調理された食品中(食品中の酸素量が少ない状態)で菌が増殖し、集団食中毒の発生につながる場合が多いので注意が必要です。

生体内毒素型食中毒:細菌が腸管内で増殖又は芽胞形成時に毒素を産生し、その毒素により発症する。毒素はA~E型に分類される。

A型
人の食中毒発症に関係
B・C・D・E型
家畜などの発症に関係、また芽胞形成時にエンテロトキシンを産生する
原因食品
ビーフシチュー、カレー、スープ、肉や野菜の煮物等
症状
飲食後、半日ほどで下痢が始まり、時には嘔吐も伴うことがありますが腹痛はあまり重くありません。一般的に1日から2日で回復します。
予防ポイント
  • 食材をよく洗い、まな板や包丁使い分けや消毒する。
  • カレー、スープ等を調理する時はよくかきまわす。
  • 調理後は早めに食し、室温で長時間放置しない。
  • 保存するときは、すぐに冷却して冷蔵庫内に保管し、食べる前に再度よく加熱する。

コレラ菌

特徴はほとんどなく、主に海外渡航先で感染します。都市近辺の河川や沿岸部の海水に生息しており、食品や飲料物を介して感染します。低温や乾燥、熱に極めて弱く、アルカリ性を好む性質があります。

原因食品
飲料水、輸入された魚介類など
症状
下痢と嘔吐を繰り返します。発熱や腹痛はあまりありませんが、重唱の場合脱水症状・血圧低下・腎不全などが起こります。
予防ポイント
  • 海外渡航先の飲料水・食品には十分気を付けること。
  • 輸入された魚介類は完全に解凍してから十分加熱してから食べる。
  • しっかりした手洗い消毒、下痢症状のある調理者が業務につかないこと。

赤痢菌

保菌者や感染者の便、汚染された飲食品や食器を通して感染します。

原因食品
汚染された食品、飲料水
症状
38~39℃の発熱、腹痛、激しい下痢、粘血便など 二次感染が多い
予防ポイント
  • 食品製造のかかわる人の健康管理
  • 調理場内の衛生管理、害虫駆除など
  • 手洗い、アルコール消毒

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